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壊れ易い革製品

一般的によく使われている次の部材や構造は壊れやすい。

half completeでは採用しない。

ぽってりエナメル

「もって半年」

端の処理にぽってりのった粘度の高いエナメルが使われていたりする。

革の端を上手に処理するのは手間がかかる。

特に荒れた端となりやすいクロームなめし革の端を短時間でなんとなくまとめるためには、ぽってりエナメルは有効と一般的なハイブランドは考えている。

ぽってりエナメルは半年も持たない。

購入の際には気をつけた方が良い。

なお、ぽってりではないエナメルもあるが、

上に乗っているものはどうせ溶ける。

half completeではエナメルは使わない。

ファスナー

ファスナーは細かい部品の集合体。

細かい部品の割には結構力がかかる。

細かい部品の割には使用頻度が多く、摩擦も受ける。

ファスナーの歯の周辺は布。

中味を入れすぎるのはファスナーに負荷が掛かる。

中味を入れすぎてなくても、速いスピード、強い力で使うと、ファスナーの歯、周辺の布、取り付けられている革を確実に痛める。

ファスナーを使う際は、中味を入れすぎること無く、無理な力がかからないように、ゆっくり丁寧に使うことをすすめている。

half completeは金属ファスナーは大嫌い。

重いから。

作っている時にスルスル動かすだけで金属臭いし。

金属ファスナー一発で確実に重くなる。

half completeはコイルファスナーの方が曲がりに強く、軽いため、金属ファスナーより丈夫さ、有用性において優位であると考えている。

half completeのラインアップには金属ファスナーを使ったものはない。

ヘリ返し

革の端に使われる技法。

この場合、革の厚みは0.8mm以下になっている。

ひどいと0.4mm程度のものもある。

革の場合、0.8mm以下は確実に切れる。

ぶつかった場合などはヘリ返し部分は切れる。

half completeでは当たりに強く修理もしやすい切り磨き、またはhalf completeオリジナルのラウンドコーナー仕様の構造となっている。

縫い返し

裏から縫った後にひっくり返す技法。

多くのバッグに使われている手法だが、非常に弱い製法だと認識している。

ひっくり返す際には、縫われた穴を丈夫な糸で広げる力が働く。

研ぎ針で縫ったりしたら、針穴から切れてしまう。

ひっくりかえされている場所は糸だけでしか留っていない場合もある。

玉縁(たまぶち)

縫い返しの糸が見えないようにするためだけの技法とhalf completeでは認識。

玉縁の縫い返しの際には、単なる縫い返しより強い力で返される(剛性の関係)。

このため、強度は縫い返しと同様かそれ以上に弱いと認識。

玉縁を作るためには、周辺部に2cm幅の材料がぐるっと回る。

このため、玉縁は確実に重くなる。

half completeはは重いのと弱いのは嫌いなため、玉縁は最も嫌いな技法。

half completeでは使わない。

縫う

お醤油などが入っている小分けのビニールの切り口にはマジックカットと言う製法が使われている。

「こちら側のどこからでも切れます」

といった表示がされている。

マジックカットは、細かい切れ目が入っており、力を加えなければ切れないが、力を加えると切れやすい、という構造。

さて、

縫うというのは「穴を開けて糸を通す」行為。

縫うという行為は形を作る上では有効。

ただし、縫ったからと言って強度が増すわけではない。

縫うことはマジックカットとほぼ一緒。

曲がり部の縫い

特に常に曲がりが発生する部分については、開いた穴を丈夫な糸でこじっている、という動作が常に発生している。

手ひも部の縫い

手ひもは常に力がかかる部分。

ここを横に縫うのはマジックカットと一緒。

縫うというのは強度を弱めると認識している。

なるべく縫わず、それでいて強度は確実に高い、となるようデザイン、製作している。

内側への折マチ

内側が狭くなり、厚みが発生し、部材も使うため重くなる

縫いが多くなり、薄くもするため強度も弱い。

内側への折マチは最も無駄な構造。

half complete製品では内側へ織り込まないhalf completeオリジナルのラウンドコーナー仕様となっている。

half completeのラウンドコーナー仕様は、内側が狭くなること無く、厚みが発生すること無く、部材も最小限、縫いはマチ部には発生しない構造となっている。

クロームなめし革

革製品と思われるバッグに使われる素材には次のようなものがある。

人工皮革
塩化ビニール
クロームなめし革
植物タンニンなめし革

人工皮革

現在の人工皮革は大変優秀と認識している。

顔料がのっていることが一般的なクロームなめし革とであれば区別がつかないほど上手く出来ている。

人工皮革は布や紙などに顔料がのって出来ている。

ただし、所詮顔料なので、剥がれて来る。

永持ちはしない。

空気抜けしない素材であり、臭い抜けやカビ抜けはしにくい。

half completeでは使わない。

塩化ビニール

有名ブランドに使われているのを初めとして、強度としては強い。

顔料のように剥がれてくることも無い。

ただ、柄は薄くなる。

「えっ、革だと思ってた」

という方が多くいるようなので、見た目もそれなりに良いらしい。

half completeでは全く良いと思わないので使わない。

また、空気抜けしない素材であり、臭い抜けやカビ抜けはしにくい。

塩化ビニール自体は0.4mm程度の厚みで薄いながらも丈夫な素材であり、裏には補強のための芯材がばっちり貼られている。これらも臭い抜け、カビ抜けを阻害する要因。

クロームなめし革

いわゆる本革ではある。

ただし、half completeでは革という認識をしていない。

「クローム使うんだったら紙とか布とかビニールで良いじゃん」

くらいに思っている。

half completeでは全く良いと思わないので使わない。

また、空気抜けしない素材であり、臭い抜けやカビ抜けはしにくい。

クロームなめし革の特性

クロームなめし革は熱に強く、水に強く、切れに強い、という特性を持っている。

ここで使われているクロームなめし剤というのはいわゆる金属のよう特性を持っており、出来上がった革も金属のような特性を持っているとhalf completeは認識している。

水に強い、というのは水が通っていきづらいということで、穴が開いていない、ということに近いと認識。

金属の特性を持つため、分子結合が強く、穴が開いていない、と推察。

クロームなめし革が悪い言い方をされる場合は、「死んだ革」、「経年劣化(年とともに段々ひどくなる)」などと言われる。

half completeではクロームなめし革は分子結合が強く、「穴が開いていないため、呼吸をしない」と認識。

現状ではクロームでなめされた革は「青っぽい灰色の革」に「顔料」がのって出来ているものが多い。

バッグの角などで顔料が剥がれると青っぽい灰色が出てくる、という状態が散見される。

角などが剥がれていない状態であっても、half completeには呼吸していない状態の素材は分かる。

人工皮革は優秀なのでクロームなめし革とはなかなか区別がつきにくいが、人工皮革、クロームなめし革、塩化ビニールを使った製品を見ると、味が無いなぁと思います。

植物タンニンなめし革であれば顔料がのっていてもhalf completeは判別できる。

空気抜けをする穴が無いと光の分散が変わってくるから判別出来るのではないかと推察している。

超危険な革

床革に顔料...こんなのもある。

気をつけたい。

「革は強度のある表面とその下の柔らかい面から出来ています。

床革というのはその下の柔らかい面のことです...。」

強度はまぁまずないに等しい...。

「本革です」

たしかに。

「植物タンニンなめし革に顔料です!!」

たしかに。

嘘ではないけど、優良誤認へ導く行為で最もたちが悪い。

まぁ詐欺。

気をつけたい。

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